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AIを守り、AIで守る――次世代のセキュリティを切り拓く研究

AI・数理部門 片岩拓也

生成AIの普及とともに、AIセキュリティの重要性が急速に高まっている。フィッシングやマルウェア、不審通信といったサイバー脅威が高度化する一方で、AIそのものも攻撃対象となる時代になった。こうした背景から、AIを活用して脅威を検知する「AI for Security」と、AI自体の安全性や信頼性を確保する「Security for AI」という両面の研究が注目されている。本インタビューでは、この二つの視点からAIセキュリティ研究に取り組む大学3年生・片岩さんに、研究のきっかけや目標について話を伺った。

 

──研究テーマを教えてください

私の研究テーマは、AI for Security, Security for AIです。フィッシング・マルウェア・不審通信などの兆候から脅威を検知・分類・リスク評価するためにAIを活用するAI for Security と、AIシステムそのものの安全性・信頼性・耐攻撃性を確保するSecurity for AIの両方の分野の研究を行っています。AIを活用してセキュリティを強化するだけでなく、AI自体を守るという、両方の視点から研究を進めています。

 

──このテーマに興味を持ったきっかけは何ですか

もともとAIには興味がありましたが、特にきっかけとなったのは高校生の頃に読んだSF小説です。その中で描かれていた「AIと人間のかかわり方」に強く考えさせられました。さらに、大学に入学する頃にChatGPTが急速に普及し、AIが当たり前に存在する大学生活が始まりました。実際に使ってみると、驚くほど自然に会話ができ、「これはすごい。自分もAIを使って何かを創りたい」と思うようになりました。

 

──本格的に研究を始めたのはいつからですか

大学2年生からです。
私の大学には「早期研究プログラム」があり、2年次に研究室へ仮配属され、研究に触れる機会があります。

私は5つの研究室に所属し、論文を読んだり再現実験を行ったりと、さまざまな経験をしました。その中の一つの研究が国際学会の査読付きポスターとして採択され、2年生の終わりには国際学会と国内学会の両方に参加することができました。

 

──研究の最終目標を教えてください

AIをはじめとする先進技術は、非常に便利である一方、リスクも伴います。
そのリスクを理由に技術の活用を避けるのではなく、危険性を抑えながら安心して使える仕組みを整えることが重要だと考えています。

技術と安全性が両立した、生活をより豊かにする社会を実現することが、私の最終目標です。

 

──将来はどんな人になりたいですか

目標は、トップ0.1%の研究者になることです。
情報系の分野なので、必ずしも大学などのアカデミアに限らず、リサーチに関わり続けたいと考えています。

まだ誰も見たことのない技術を生み出す、その最前線に居続けたいです。

 

──中高生のみなさんにメッセージをお願いします

新しい技術や知識に、積極的に挑戦できるのは中高生の特権だと思います。
ChatGPTも、皆さんにとっては「ネイティブな技術」ですよね。

これからどんな新しい技術が生まれても、それが当たり前になっていく世代だと思います。
ぜひ、その技術を応用し、さらに新しいものを創り出していってほしいです。

 

(文・鷲足祐香)