“当たり前”を科学し、新しい角度を生み出す
社会科学・人文科学部門 上村 美結実現したい世界・目標
私は、人間関係や学校生活に悩み、生きづらさを抱える中高生が少しでも生きやすい社会を実現したい。
この目標を掲げた理由は、私自身が同様の悩みを抱え、学校生活に苦痛を感じていた背景があるからだ。現在も、学校を休むことは「逃げ」と捉えられることもあったり、保健室登校という選択肢が十分に知られていなかったりする。もちろん、これらの概念やシステムがすべて正解ではない。しかし、私は、生きづらさを抱える中高生にとって、第2の居場所となるような環境や、学校生活をより快適に過ごせるような仕組みが必要だと強く感じる。だからこそ自身の研究を通してこれらの環境や仕組みを前進させていきたい。
これまで取り組んできた研究・経歴
中学2年生の時に、心理学に興味を持ち、「孤食とコミュニケーションの関係性」というテーマで研究に初めて挑戦する。しかし、指導者不在や研究方法の難しさから挫折を経験。
その後、中学3年生では振り子の研究に取り組むが、心理学への情熱を再認識し、高校1年生から「愛着と向社会的行動」というテーマで心理学の研究を再び開始する。この研究では、日本心理学若手の会による学部生・高校生プレゼンバトルに動画で出場し、またサイエンスキャッスル2023関西大会口頭発表ではダイセル賞を受賞した。
現在は、感謝と向社会的行動の関係性について研究を進めており、また研究と並行して、ボランティア活動や、中高生の研究をよりクローズアップする活動に参加している。
今後取り組む研究・ADvance Labで達成したいこと
疑問におもった”当たり前”を科学して、新しい価値を見出すことを達成したい。
日常に潜む「言われてみれば、確かに~!」という当たり前を中高生を対象としたアンケートを行い、分析しながら、当たり前を証明し、新しいものごとの角度を生み出す。それが、まわりまわって、私が実現したい社会の手助けになることを目的とする。
具体的な今後の研究としては、共通点の差異による共感性と傾聴態度の関係性について研究していきたいと考えている。