MEMBER

植物の、「芽吹いた場所で生きていく」スキルの謎を解明する

バイオ部門 横川 暖

実現したい世界・目標

私の目標は、植物が環境ストレス応答の仕組みを詳細に明らかにすることです。

私は、植物の細胞を酸化ストレスから守る物質であるアスコルビン酸の花弁における普遍性と多様性、葉のアスコルビン酸との相関、生合成能力を世界で初めて明らかにしました。

この研究は環境ストレスに強い植物をつくることに繋がります。

私は地球温暖化などにより地球環境が大きく変動する現在・未来の世界において、全ての人々が安定的に食料にアクセスできる世界をつくりたいです。

2023年のSOFIによると現在、約7億3500万人もの人々が飢餓に直面していて食糧・農業システムの改革が必要であり、環境変動によるストレスに強い植物を作り出すことで改革に貢献したいです。

植物はアスコルビン酸以外にも多くの環境ストレス応答に関わる物質を作っています。

植物の環境ストレス応答の仕組みについて誰も気づかなかった謎に着目し、世界をリードする研究者になりたいです。

 

これまで取り組んできた研究・経歴

【研究関連のコンテスト】

  • サイエンスキャッスル2023 関西大会 口頭発表部門 / 最優秀賞
  • JSEC2023 / 敢闘賞
  • 第18回 筑波大学「科学の芽」賞 / 奨励賞
  • 動物実験代替法チャレンジコンテスト2023 / 優秀賞

【学会発表】

  • Taiwan-Japan Plant Biology 2023 / ポスター発表
  • International Science Seminar for High School Students 2023
  • 日本農芸化学会2023年度 中四国・西日本支部合同大会 / 口頭発表
  • 2023年度 GSC全国受講生研究発表会 / ポスター発表

【課外活動】

  • 島根大学GSC1期で、生物化学研究室丸田班にて花弁におけるアスコルビン酸の研究を行う。丸田先生のもとで行った研究で様々なコンテスト、学会に出場する。
  • iGEM Japan-UnitedをTwitterで出会った友人たちと結成し、活動する。iGEM2023でチームでGrand Prizeなど獲得。
  • 大阪大学SEEDSプログラム8期 実感コースで、福崎研究室にてお茶系飲料のメタボローム解析の研究を行う。
  • 京都大学ELCAS2021で哲学・政治学を学ぶ。
  • 関西大学高大連携長期プログラム「関大の講義に学ぶ」で食品衛生学、アジア文化学、国語国文学を学ぶ。

【コントラバス】

  • 大阪交響楽団主席コントラバス奏者 大槻健太郎氏に師事。
  • 第3回中学生・高校生のためのコントラバスコンテスト全国大会 / 銀賞
  • 第27回全日本中学生・高校生管弦打楽器ソロコンテスト関西大会予選 管弦打楽器ソロコンテスト大阪狭山大会 予選 / 金賞・代表、本選 / 銀賞

【科学オリンピック】

  • 第17回科学地理オリンピック日本選手権 / 第2次選抜試験選抜
  • 日本言語学オリンピック2023 / 銅賞

 

今後取り組む研究・ADvance Labで達成したいこと

私が達成したいことは、複数の研究機関で植物環境ストレス応答の研究を様々な角度から行い、植物が環境ストレスに適応するメカニズムを明らかにすることです。

進学するお茶の水女子大学で環境ストレス下における植物細胞の研究をする予定ですが、高校時代に島根大学で研究した花弁のアスコルビン酸について、ADvance Labでより多くの花弁サンプルで実験を行い、花弁のアスコルビン酸についてももっと探求したいです。

また、中高生向けに研究力の素養となる観察眼を養う教育活動や、発展途上国の中高生に対する研究支援にも取り組んでみたいです。海外では中高生の研究は国の課題を解決するために取り組むことが多く、自分の興味に沿った研究に取り組みにくい実情があると知りました。探究心旺盛な中高生に対してオンラインで日本の研究者からメンタリングを受けられる機会などをつくり、自分の興味のある研究ができる環境を創りたいと考えています。