INTERVIEW

リーダーでもあるエンジニアを目指して

ものづくり部門リーダー 立崎 乃衣

 

9歳の頃からさまざまなロボット開発を行い、中高時代はアメリカのロボコンに出場するロボットエンジニアとして活躍するかたわら、コロナ禍における医療機関へのフェイスシールド寄付などの社会貢献活動にも取り組んできた立崎乃衣さん。今回は、ADvance Labの設立にも携わった立崎さんに、これまでの活動や今後取り組んでいきたいことを聞きました。

 

ロボット開発に興味を持ったきっかけは何ですか?

きっかけは、正直自分でも覚えていません。2、3歳の頃はホームセンターでネジやナットを両親に買ってもらって、喜んでいるような子どもでした。工作が好きで、階段のかたちやサッカーボールの展開図を自分で考えて工作用紙でつくるなどしていました。5歳の頃に電子工作をはじめ、ラジオをつくったことも思い出のひとつです。9歳の頃に、見様見真似で手を動かしていたら、いつの間にかロボット開発に熱中するようになりました。今ではロボットは自分にとって「わが子」のような存在ですね。ただのモノではなく、愛着を持っているしともに時間や思い出を共有している感覚があります。

 

将来どんな人になりたいですか?

小学生の頃からエンジニアになりたいと思っていました。ただ、フェイスシールドの寄付活動のように、新しいプロジェクトをゼロから立ち上げ、ものづくりの工程から仲間や資金集め、病院からのフィードバックを受けて改良するなど、一貫して自分で活動してきたからこそ、社会の課題が見えてきました。その経験から、仕様通りにものをつくるのではなく、自分で課題を見つけて仲間を集め、ものづくりで社会に新しい動きをつくる「リーダーでもあるエンジニア」でありたいという思いが強くなりました。いまはまだ知らない世界がたくさんあるので、いろいろな場所に行き、世界を俯瞰して見られるようになりたいです。

 

今後ADvance Labで実現したいことは何ですか?

私が2050年までに成し遂げたいことは、ものづくりの自動化です。ここでいうものづくりは、いわゆる製造のことではなく、この世界にあるものをつくりだすすべての工程を意味しています。「こういうものが欲しい」を頭の中で考えるだけで、具体的な3Dモデルが生成され、素材が選定されて自動的に組み立てられる、そんな世界観を目指しています。いままで存在していなかったものが自分の前にパッと現れる感覚はすごくおもしろいと思いませんか?その第一歩として、たとえば、産業用部品版LEGOのように、inchやmmなどのさまざまな規格表記を統一して部品の使い回しや組み立ての効率化を図る「部品の規格化」に取り組みたいです。今後、人間の頭の中のひらめきや考えていることを物理的に落とし込み、誰もが体感できるものづくりを目指します。

 

(文・ADvance Lab 大城 彩菜)